Interview

カフェと、テニスと、青汁と。

Ai Sugiyama

1975年生まれ。神奈川県出身。
15歳で日本人初の世界ジュニアランキング1位となり17歳でプロに転向。世界最高ランクはシングルス8位、ダブルス1位。世界4大大会連続62回出場は女子歴代1位。2009年惜しまれながら現役引退。2011年からジュニア育成プロジェクトをスタート。著書に「ウィッシュリスト100」(講談社)などがある。

3rd Guest

 第三回目のインタビューゲストは、プロテニス選手として、世界を舞台に活躍してきた杉山 愛さん。
現役時代から“愛ちゃんスマイル”で多くの人に親しまれ、引退後もテニス指導やスポーツコメンテーター、講演活動と幅広い分野で活躍されています。プライベートでは3歳の息子さんの母親でもある杉山さんにお話をうかがいました。

取材日:2019年4月27日

“ピンチ”を“チャンス”に

Interviewerテニスを始められたきっかけは?

Sugiyama始めたのは4歳です。両親がテニスをやっていたので、一緒にコートに連れていってもらったのがきっかけです。体を動かすことが大好きで、ほかにも体操、クラシックバレエ、水泳、フィギュアスケートをやっていましたが、一番夢中になったのがテニス。
その後、家の近くに本格的なテニスアカデミーができたことからテニス一本に絞り、学校が終わるとほとんど毎日、3~4時間は練習していました。
プロになりたいと思ったのは小学2年生の時です。誰もがモチベーションが高く、プロを目指すようなクラブだったので、必然的に将来は海外で活躍できる選手になりたいと思うようになりました。

Interviewerテニスを続けてよかったと思うことは?

Sugiyama大切なことはすべてテニスが教えてくれたと言えるほど、今の自分はテニスがつくってくれたと思っています。なかでも、25歳の時に陥ったスランプを乗り越えることで、精神的成長を遂げられたことは大きかったですね。それまでは感情に揺さぶられ、どちらかというと勢いで試合に臨んでいたので、自分と向き合うことができていなかった。すべてを白紙に戻し、フォームから練習方法、心身のメンテナンス、ツアーの行程に至るまで徹底的に見直しました。自分としっかり向き合うことは、時には見たくない部分も直視しなければなりません。つらい時期でしたが、この経験によってピンチをチャンスに変えることができるタフな精神力が身につき、プロとして再スタートすることができたと思っています。
世界中に心の通う友人ができたことも、テニスがくれた宝物ですね。SNSで近況を伝えあったりして、今でも交流が続いています。

“心の持ちよう”で風景は変わる

Interviewer世界中を転戦するなかで、印象的だった出来事はありますか?

Sugiyamaいろいろな国を転戦しますが、プロテニス選手は優勝しない限り負けて終わりです。
負けを引きずったり、訪れる国の文化にストレスを感じていては、充分なパフォーマンスが発揮できません。実は、選手時代、苦手な国がありました。苦手なので嫌な面にしか目に入らず、あまり居心地がよくなかった(笑)。
毎年エントリーしていましたが、いつも1回戦止まり。負けが3~4回続いた時、ふと、その国のいい面を探してみようと思いつきました。すると、押しが強く、遠慮がないと感じていた面は、情に厚く温かみがあり、フレンドリーな面の裏返しであることに気づいたのです。

Interviewerその後、試合はどうなったのですか?

Sugiyamaその国のよさが見えてきてからは、またたく間に勝ち進み、優勝こそしませんでしたがベスト4まで進むことができました。
特別なことをしたわけでなく、ものの見方を少し変えただけ。心の持ちようひとつで周りの風景が180度変わることを、身をもって学んだ出来事でした。

Interviewer憧れのテニス選手はいらっしゃいますか?

Sugiyama子どもの頃はアメリカのクリス・エバート選手(注1)の冷静沈着、正確なボールコントロールに憧れていました。
現役の時は、親身になって面倒をみてくれたアメリカのマイケル・チャン選手(注2)。彼は、決して体格的には恵まれている選手ではありませんでしたが、強靭な精神力の持ち主で、ガッツあふれるプレーに、いつも元気と勇気をもらっていました。

(注1)クリス・エバート
1970年代から80年代にかけて活躍した女子プロテニスプレーヤー。グランドスラム大会通算18勝。その冷静沈着なプレーから"アイスドール(氷の人形)"と呼ばれた。
(注2)マイケル・チャン
グランドスラム大会の男子シングルス最年少記録を持つ。(17歳3ヶ月)ツアー通算34勝。現在は、錦織圭選手のコーチとして活躍中。

Interviewer最近は錦織圭選手や大坂なおみ選手など、日本人選手の活躍が注目されていますね。

Sugiyama錦織圭選手はもともと持っていた素晴らしい素質を花開かせて、世界のトップ10入りという日本男子選手初の快挙を果たしました。彼は小さい頃から知っていて弟のように感じていたのに、今や日本のプロテニス界をリードするお兄ちゃん的存在になって、本当に頼もしい限りです。グランドスラムの全米オープン、全豪オープンを制覇して、世界の頂点まで一気に駆け上った大坂なおみ選手の精神的成長にも驚くばかり。ポテンシャルの高さは世界一だと思います。
日本のプロテニス界に、まさかこんな時代がやって来るとは…。かつては私もいた世界なので、ひときわ感慨深いものがあります。

何かひとつ打ち込めるものを

Interviewerテニス以外のスポーツをしてみたいと思ったことは?

Sugiyama勝敗を争うスポーツやハードなトレーニングは、自分でも信じられないくらいやる気が起こらないんです(笑)。去年、往年の選手が出場するウィンブルドンでの試合に招待された時は練習しましたが、そういう目標でもない限り運動しませんね。一生分やりつくしたのかもしれません(笑)。ただ、ゴルフは気分転換を兼ねて、選手時代から今も続けています。自然の中で思い切りリフレッシュできるひとときは、私にとって最高の時間です。

Interviewer将来は、息子さんにもアスリートになってほしいとお考えですか?

Sugiyama息子も幼い頃の私と同じように、コートに連れていくと大はしゃぎ。体力があるし、物おじしない性格、しかも私の上をいく負けず嫌い (笑)。スポーツ選手に向いていると思います。
私自身、テニスから学んだことは数えきれないほどあるので、何かひとつでも打ち込めるスポーツを見つけられたらいいですね。

カフェは“エネルギーチャージ”の場

Interviewerカフェにはよく行かれますか?

Sugiyamaカフェにはよく行きます。仕事の合間、時には家族で行くこともあります。息子も3歳になり、ずいぶんお行儀がよくなってきたので(笑)、一緒にカフェでのブレイクタイムを楽しんだりしています。

Interviewer杉山さんにとってカフェはどんな場所ですか?

Sugiyamaひと言でいうと、リラックスとエネルギーチャージの場所です。
1杯のコーヒーでひと息ついて、考え事をしたり、本を読んだり。忙しい日常の合間に、ふっと自分と向き合う時間を与えてくれる場所。気心の知れた友だちと、おしゃべりに花を咲かせることもあります。
私にとっては、なくてはならない場所ですね。

Interviewer緑効青汁のお気に入りの飲み方はありますか?

Sugiyama普段はそのまま水で溶かして、ストレートで飲んでいます。息子もお気に入りで、「グリーンジュースおいしい」と言いながら飲んでいます。たまには気分を変えて、季節のフルーツと一緒にスムージーで楽しむこともあります。
今日は「33 CAFÉ GREEN」で「青汁ソイラテ」をいただいていますが、青汁と豆乳のほのかな甘味が溶け合って、おいしいですね。

多くの人たちの支えが、今の自分

Interviewerこれからの夢や目標を教えてください。

Sugiyama主宰するテニスアカデミーでジュニアの指導育成を行なっていますが、新たに去年から国際テニス連盟(ITF)公認のジュニア大会「Ai Sugiyama Cup」の開催・運営に携わることになりました。将来はプロになり、世界をめざす子どもたちの登竜門となる大会です。17年間のプロ生活で培ったすべてを子どもたちに伝えることで、大会に出場できる選手を育て世界に送り出せたら、これ以上の喜びはありません。
テニスがあって、家族をはじめ多くの人の支えがあって、今の自分がある。感謝を込めて、次は私が支える番だと思っています。

Finished the Interview

インタビューを終えて

17年にわたり、世界のトップクラスで熾烈な戦いを繰り広げてきた方とは思えないほど、おだやかな笑顔が印象的な杉山愛さん。どんな質問にもていねいに答えてくださり、テニス愛、家族愛、人間愛にあふれるお人柄が伝わってくるインタビューとなりました。後進の指導を通して、今後ますます日本のテニス界を盛り上げていかれることと思います。