Interview

カフェと、読書と、青汁と。

Yasushi Kitagawa

1970年生まれ。愛媛県出身。東京学芸大学卒。
「喜多川ワールド」と呼ばれるその独特の世界観は、小学生から80代まで幅広い年齢層から愛され、その影響力は国内に止まらず、現在は多数の作品が台湾・韓国・中国・ベトナムでも翻訳出版されている。執筆活動だけではなく全国各地での講演やセミナーも開催。出会った人の人生を変える講師として人気を博している。

1st Guest

 第一回目のインタビューゲストは、作家としてまた経営者として幅広く活躍されている喜多川泰さん。
1998年27歳で学習塾「聡明舎」を創立。2005年「賢者の書」で作家デビュー。以来、「君に会えたから」「手紙屋」など多くの作品を出版。代表作の一つ「また必ず会おうと誰もが言った」は2013年に映画化、2018年にはミュージカルとして舞台化されました。
2017年、株式会社 L&Rヴィレッジを設立され、ますます活動の場を広げられている喜多川泰さんにお話を伺いました。

取材日:2018年11月26日

一冊の本との出会いが人生を変える

Interviewer作家になられたきっかけは?

Kitagawaいくつかのきっかけがあるんですが、一つは娘が生まれたことです。
それまで塾の生徒に日々感じたことや思ったことを話していたのですが、形としては残していなかった。子供たちにとって強烈な印象を与えた言葉を自分が覚えていなかった。(笑)生徒のためにも娘のためにも自分がやってきたこと、話してきたことを何か形として残す方がいいと思い、話した内容をノートに書き留め始めました。そうしたら、ある時一人の生徒から「先生の話を本にして出したら!」と言われたんです。しかし、こういう自己啓発的な話は、大きな会社の経営者や何かを為した人という肩書がなければ出版は難しい。一塾講師である自分には無理だと思ったので、物語にしてその中に話を盛り込みました。物語を書くのに肩書は必要ありませんから。(笑)それらが、きっかけですね。

Interviewer「一冊の本との出会いが人生を変える」を信条とされている喜多川さんの人生を変えた一冊はありますか

Kitagawa人生を変えた本ということだと出会った本全てということになりますが、きっかけとなった一冊はデール・カーネギーの「人を動かす」です。

Interviewer何歳くらいの時ですか?

Kitagawa確か僕が小学校5年生頃だったと思います。父親がプレゼントしてくれました。

Interviewer小学5年生ですか(驚)

Kitagawaはい。「誕生日プレゼントは何がいい?」と父親に聞かれて「ジャージが欲しい」と言ったんですが、プレセントとして渡されたのがこの本でした。その時は「何だ。これ!」と思っただけで、読まずに本棚にそのまま置いていました。(笑)
初めて読んだのは19歳です。18歳で上京した時に他の荷物と一緒に持って行っていたんです。でも、読んでもピンとはきませんでした。27歳で聡明舎を起業したんですが、自分の思うように運営することができず、それで何か本を読もうと思った時に、ふと「人を動かす」を手に取ったんです。読んだ瞬間ものすごく感動しました。逆にこんなことも知らずによくこれまで経営してきたなとも思いました。28歳でした。父親にプレゼントされてから15年以上が経っていました。(笑)それから次々と本を読みました。実はそれまであまり本を読まなかったんです。(苦笑)

Interviewerお父さんは、なぜ小学生の息子にデール・カーネギーの本をプレゼントしたのでしょう?理由は聞かれましたか?

Kitagawaいえ、聞いていません。僕の父親は本を読むより外で体を動かすのが好きな人でしたから、本を読む習慣はなかったと思います。ただ、人からすすめられた本は読んで、読むとはまっていたようです。だから、多分その時に自分が「人を動かす」を読んではまったので、息子にも読ませようと思ったのではないでしょうか。(笑)

「カフェ」は“特別な場所”のひとつ

Interviewer代表作の一つ「手紙屋」では喫茶店(カフェ)が重要な舞台になっていますが、舞台設定を喫茶店にした理由は?

Kitagawa僕は家でも職場でもない、自分にとって特別な場所をたくさん持つべきなんじゃないかと思っているんです。ここに行けばこんな気分になれる。ここにいたらこんな自分でいられる。そんな場所をたくさん持っていることは大事なんだよと子供たちにもよく言っています。カフェというのは、そんな特別な場所のひとつだと思います。
「手紙屋」では、カフェじゃなければなれない自分というものを物語で描けたらいいなと思いました。

Interviewer喜多川さんにとってカフェは、どんな場所ですか?

Kitagawa僕にとっては本を読みに行く場所ですね。カフェで仕事をしている人もいらっしゃいますけど、仕事をしてしまうとカフェも職場になってしまうので。(笑)

Interviewerコーヒーが大好きとお伺いしましたが

Kitagawa大好きですね。生豆をローストする時の香りが大好きなんで、時間がある時は焙煎からしています。

Interviewer焙煎からですか(驚)

Kitagawa生豆を鍋に入れて火にかけて。結構難しくて失敗もしましたが、段々と火加減や焙煎する時間が分かってきて。すごく美味しいですよ。1杯のコーヒーをつくるのに1時間以上かかりますけど。(笑)普通は時間がないので、コーヒー豆をミルで引いて淹れています。

8年続けている緑効青汁

Interviewer緑効青汁も続けていただいているそうで

Kitagawaアサヒ緑健さんとの付き合いが始まってからですから、8年続けています。味も気にならないんで、普通に水に溶かしておいしく飲んでいます。

Interviewerありがとうございます

KitagawaそれまではCMの影響だと思いますが、青汁は苦くて青臭いというイメージでした。好んでは飲まないけど、体にいいから我慢して飲むというような。

必要としてくれる人の前に立つ

Interviewer2017年L&Rヴィレッジという会社を設立されましたが、設立の経緯について教えてください

Kitagawa僕は人生を10年と20年のサイクルで考えるタイプなんです。10年かけてその先の20年の準備をしていくことが大事だと思っているんです。伊勢神宮の式年遷宮も20年スパンですよね。20年に一度行うことで技術も伝承されるし続いていく。会社も10年20年単位で新しくしていくことが必要だと思います。
1998年に設立した聡明舎がちょうど2018年で20年。10年位前からそれに向けての準備をしてきました。その中で自分の役割が少し変わってきたように感じていたんです。これまで塾の先生として子供たちと向き合う役割から、子供たちだけではなく世の中のもっと多くの人と向き合う役割に。作家としても10年以上経ちましたから、喜多川泰を必要としてくれる人の前に立つことで、より大きな役割を果たせると考えました。そこで全国で活動できる環境をつくろうとL&Rヴィレッジを設立しました。

Interviewer現在年間の講演回数はどのくらいですか

Kitagawa約100回くらいです。週に2回くらいのペースでしょうか。

Interviewer毎日ご多忙だと思いますけど 健康のために何かされていることはありますか?

Kitagawaあまり他の人におすすめはしませんが、すごく疲れている時にあえて運動します。仕事って体力勝負のところがありますよね。30代の半ばくらいに仕事がしんどいと感じる時があって。それで、それまで特に何もしてなかったんですが走るようになりました。そしたら体力がついたせいか、しんどくなくなった。結局しんどかった理由は体力がなかっただけだったんです。今は筋力と体力を伸ばさなくても維持するために走ったり、趣味のカヤックをしたり定期的に体を動かしています。
食べ物は、野菜をよく食べるようになりましたね。体が野菜を欲しているような気もします。

Interviewerこれからの活動や目標について教えてください

Kitagawaやはり本を読む経験や読書習慣を多くの人に持ってもらいたい。作家としての出発点がそういう想いですし、作家としての使命も変わっていません。ただ、これまで塾や作品を通じてという活動から、もっとトータル的に読書に関わる面白いことを提供していきたいと思っています。

Interviewerありがとうございました。これからもご活躍を応援しています

Finished the Interview

インタビューを終えて

様々な質問に終始にこやかに答えてくださった喜多川さん。掲載していない話の中にも喜多川さんらしい素敵な言葉がたくさんありました。
現在、次回作を執筆中とのこと。出版が楽しみです。